2009年9月15日

RjDj Team @TMUG Bridge, 2009.09.13

RjDjTeamはiPhoneアプリ「RjDj」の開発チームで、イギリスはロンドンを本拠に、ソフトウェアのデザインを通じて新しい音楽の形態を探っている。

今回のプレゼンはRjDjTeamのメンバーの一人、Robertによるもの。
主な内容を覚書きとしてまとめておく。

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1. RjDjの紹介
 ・ソフトウェアそのものが音楽であり、楽譜や録音に定着されない音楽体験をもたらす
 ・Digital Drug, "Mushroom without mushroom" , Surreal Musicというような言及も
 ・iPhoneSDKの知識は不要。代わりにPureDataの知識を必要とする。
 ・デベロッパープログラムに加入せずとも、iPhoneで動くオーディオアプリを作成できる
 ・種々の入力情報をもとに、音、音楽、音響etc. を生成する
   ・マイクから音声入力
   ・スクリーンのタッチ検出
   ・加速度センサーによる運動の検出
   ・位置情報(GPS)
   ・ネットワーク: TCP,UDP,ゆくゆくはHTTPも。
 ・RjdjはPdパッチの実行環境
 ・Webサイトを経由で、自作パッチをiPhoneにインストールする
 ・パッチテンプレートや、高機能なライブラリが用意されている

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2. 反応音楽レーベル "Kids on DSP" の紹介
 ・RjDjを使って音楽流通の新しい形態を模索する進行中のプロジェクト
   ※どうやら開発チームがプロジェクトの主体らしい
 ・Carl CraigやAcid Pauliが制作したシーンをiTunesStoreで購入できるようになる。
 ・価格は1本 4〜5ドル程度 (※シーンだかアルバムだかは失念)
 ・ドッペルゲンガー、タイムクルージングなどのシーンを再生(※実行というべきかデモというべきか)

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3.シーンを作ってみるデモ
 ・制限時間10分のライブコーディング
 ・Pdでプログラムを実行しつつパッチング
   ※プログラムの詳細は割愛。後日サイトにアップされてシェアされるらしい
 ・RjDjライブラリのステップシーケンサー、リバーブなどをフル活用

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■個人的に気になったポイントなど
  ・大傑作シーン "あつけ"
  ・シーンの配布サイトがTumblrの一角
  ・RjDjライブラリが充実してる。Pdでオーディオしてる人はDLしてみるといいかも


イベントのリンク
TMUG presents Bridge

RjDjデモ
RjDj Sprint Tokyo_demo

TMUG Sprintのサイト
http://rjdjtokyo.tumblr.com/

dNA@TMUG Bridge, 2009.09.13

アルスエレクトロニカでも受賞経歴のある、アンビルドな建築ユニット doubleNegativesArchitectureがプレゼンテーションを行い、その様子を見てきたので、備忘録がてら内容をまとめておく。

(建築系のプレゼンを受けるのに不慣れで、またつたない理解で書いてる点はご容赦を・・)

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トピックとしては2つ。
  1.  近作のインスタレーション事例紹介
  2.  空間表記法 SuperEye の説明
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1. 近作紹介
 ・リンツ、山口で会場を変えて行われたインスタレーション
 ・ユニット化されたセンサーを、対象の建物の各所に据えつけ
   ・センサー数のオーダーは20〜30
 ・センサーから収集される微所的な環境情報をリアルタイムに取得
 ・センサーは個々が計画的に配置されており、個々がネットワークのノードである
 ・取得した環境情報を、ネットワークにフィードバックさせて、ノード間の関係をリアルタイムに変化させる
 ・レンダリングした3次元の構造物と実際の建物を重ね合わせて提示

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2. SuperEye - 空間の知覚・表記の代替手法の提案
 ・客観的な視点から出発して構築されるのが従来の建築物
  →主観的な視点から出発して構築される構造は?
   ・蟻塚、蜂の巣、珊瑚
   ・boid, Flock  
  →いずれも構築の主体は、全体像を持っていない
 ・直交座標系 --- 立面図、平面図、パース
  → 極座標系 ---SuperEye, 飛行機や潜水艦のレーダ
 ・SuperEyeによる空間解析のケーススタディ
  ・サヴォワ邸スロープ前を平面に落とし込んでみる
  ・太陽の昇降運動を落とし込んでみる
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イベントのリンク
TMUG presents Bridge

2009年9月14日

ミシェル・ゴンドリーのビデオ術 2

youtubeから。
making of Star Guitar

Chemical Brothersのダンストラック"Star Guitar"のビデオは、音楽に合わせて車窓の風景が変化するという、シンプルだが奥の深いビデオ。

そのメイキングビデオがyoutube上にあがっており、観ると
奇才と呼ばれるミシェル・ゴンドリー監督の頭の中がちょっとだけ覗けたような気分になれる。


メイキングの内容は大きく2つで、新しいビデオのコンセプトを検証する行程が収められている。

 1. 机上でトラックを聴きながら、構造をメモしていく様子
 2. 屋外で撮影したプロトタイプ。フルーツやフォークなどがトラックに合わせたタイミングでフレームに入り続ける (7:20頃〜)

有名な、車窓の風景は登場しない。

  

ミシェル・ゴンドリーのビデオ術

White Stripes のミュージックビデオ"Fell In Love With A Girl"は、レゴを素材にしたストップモーションアニメで、ミシェル・ゴンドリー監督の代表作の一つ。

随所に映るバンドの動きや顔のアップの表情が、通常のアニメとはちょっと違うような気がしたので、その秘訣を掘ってみた。

以下は http://www.director-file.com から。
RES gives a full account of Gondry's process. "I really like the basic-ness of the music - one voice, one guitar, and one drum. I like this concept, and I thought it was very close to the primary color of the Lego blocks." On the video's creation: "We shot a very basic video of the band [in London], we edited it and then we had a program that pixelized the video, roughly the size of the Lego blocks and then we printed each frame [25 frames per second] on paper. Then we had an animation team building up Lego blocks to match each frame. Then we reshot each of those frames on a film camera. We didn't have enough Legos to do more than five frames at a time, so after five frames were shot [the Legos] were demolished to build the next five frames."


手順を簡単にまとめると、

1. 撮影と編集
バンドの演奏、プールに飛び込みなどのシーン。ここまでは普通。

2. ビデオをピクセラレート
各フレームをレゴで組める解像度までダウンサンプリングする。

3. 映像の各フレームを紙に出力する
25コマ/秒で!

4. 組立てチームが紙を元にレゴを組み立ててコマ撮り撮影
5フレーム分しかレゴの手持ちが無いので、5フレーム単位で組立て〜撮影を行ったとのこと。


できたビデオはこちら。(youtube)
Fell In Love With A Girl - White Stripes